スクワランの歴史

昔から人々に親しまれてきた鮫肝油

 スクワランの原料となる鮫の肝油は、2000年以上も前から人々に親しまれてきました。

スクワランの歴史  古くは、中国・明の時代(1365〜1644年)に書かれた漢方薬に関する『本草綱目』で、鮫の肝臓に解毒効果があり、皮膚病、アレルギー、喘息、感染症、腫瘍など様々な病気に効果があるとされています。
 アーネスト・ヘミングウェイ(1899〜1961年)の小説『海と老人』には、老人が毎日、漁師たちが船具置き場としている小屋のドラム缶より、サメの肝油を取り出して飲んでおり、風邪やインフルエンザを治し、目の健康にとても良かった、という記述があります。
  農商務省水産局約の『欧米水産製造法』によると、インドでは鮫の肝油が下肢潰瘍に効くとされており、日本でも第二次世界大戦前、スクワレンは結核の治療に使われていました。

 このように、鮫の肝油は、様々な健康的効果があるとして昔から人々に親しまれてきたのです。

スクワランの発見者は日本人

 鮫の肝油の中からスクワランを発見したのは、日本人の辻本博士です。明治39年(1906年)に辻本博士は、駿河湾で捕獲したクロコザメの肝油の中に、多不飽和炭化水素物を発見し、後にスクワレンと名づけました。その後、昭和6年(1931年)、スイス・チューリッヒ大学のノーベル賞受賞者カーラー教授力ーラー教授によって構造式が明らかにされ、その研究がどんどん進んでゆきました。その結果、スクワレンは人間の生体内にも存在しており、組織に酸素を補給して、新陳代謝を促すという作用があり、体内組織の蘇生に大きな力を発揮することがわかりました。

 その後、辻本博士は、酸化しやすいスクワレンに水素を添加すると、分子構造が安定することを発見しました。この発見のおかげで、様々な有効作用をそのままに、それまで化粧品としては使えなかったスクワレンが化粧品の原料として使えるようになったのです。スクワランは美容オイルとして、また、様々な粧品の原料として利用されています。

スクワランの普及

 スクワランが実用的に利用され始めたのは、第2次世界大戦中だそうです。
気温の低いところでも固まりにくく、伸びのよいことを利用し、戦闘機および酷寒地での戦車の潤滑油成分として使用されていました。
 戦後、軍事用途から民需用途へと検討が進められ、皮膚への優れた親和性、伸びの良さ、保湿力などの特徴を生かして、化粧品、医薬品油剤として利用されるようになってきました。
現在は自然派化粧品として、また、健康食品として利用されています。

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